213の世界着物 今春にも完成 久留米の呉服店 五輪企画 全ての国・地域分を制作へ

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213の世界着物 今春にも完成 久留米の呉服店 五輪企画 全ての国・地域分を制作へ

西日本新聞
高倉慶応さん

 2020年の東京五輪・パラリンピックまでに、各国の自然や文化を表現した柄の着物と帯を作ることを目指す取り組み「キモノプロジェクト」が着々と進み、2020年3月にも世界全213カ国・地域分の作品を完成できる見通しとなった。福岡県久留米市の老舗呉服店「蝶屋」社長の高倉慶応(よしまさ)さん(51)が「世界はきっと一つになれる」という願いを込めて14年に始めた活動のゴールが見えてきた。

 高倉さんは一般社団法人「イマジンワンワールド」を14年に設立。東京五輪の開会式で、各国・地域の着物を着た女性がプラカードを持って入場することを夢見てプロジェクトに着手した。開会式では、着物姿の全員が手をつないで一つの輪になり「平和と友好のメッセージを世界に発信したい」と考える。沈滞する着物業界を活気づけるのも狙いの一つだ。

 制作には全国各地の伝統工芸を受け継ぐ一流の技術者が携わる。着物は京友禅、江戸小紋、久留米絣(がすり)、大島紬(つむぎ)、琉球紅型(びんがた)など155、帯は西陣織、博多織、小倉織など50の制作者が参加。デザインは対象国の花や鳥、歴史的建造物、伝統的文様、シンボルカラーなどを研究して行う。小学校が考案に関わった国もある。

 1カ国200万円の制作費は賛同する企業や団体、個人の寄付で賄っている。

 当初196カ国・地域分を作る予定だったが、グアムやスコットランド、台湾などの地域、難民選手団を加え213に増えた。

 これまでに168着が完成した。残る45着も2019年8月末までに発注、2020年3月にも全て完成する見込み。ただ、15カ国分の制作資金が不足しており、引き続きスポンサーを探している。

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 実は2020年の東京五輪の開会式に参加できるかどうかは、まだ分からない。

 だが、2019年8月に横浜市であったアフリカ開発会議(TICAD)では各国首脳にアフリカ53カ国の着物を披露。9月20日のラグビーワールドカップ(W杯)開幕戦に先立つセレモニーにも、出場20カ国の着物で参加した。世界の舞台で着実にアピールを続けている。高倉さんは「五輪への参加がどうであれ、ご協力いただいた皆さんに報告する場を設けたい」と、2020年5月に久留米市で213着を披露することを目指す。

 高倉さんは2019年8月、イマジンワンワールドの代表理事から着物プロデューサーに役職を替わった。「初心に帰って、着物と帯の制作者と向き合い、残った国と地域の作品を丁寧に仕上げていきたい」と意気込む。(野津原広中)

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この記事は、西日本新聞に掲載された記事(2019年10月17日)を著作権者の許諾を得て転載したものです。

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