【案内】山口県プレスツアー(2016年12月)

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【案内】山口県プレスツアー(2016年12月)

(公財)フォーリン・プレスセンターが企画・運営したプレスツアー

DSC04973本州最西端の山口県内には磨き抜かれた独自の技術や革新的な経営で逆境を乗り越え、市場を切り拓いたり、海外進出を果たしている中小のものづくり企業がある。 

山下工業所は50年以上にわたり、「新幹線の顔」をハンマー1本を用いた手仕事で造り上げてきた。FRP(ガラス繊維強化プラスチック)という素材に特化した造船メーカーのニシエフは、FRP船が売れない時代にも自社で船の設計から建造まで行うことができる強みを活かし、救命艇など、事業の幅を拡げ、生き残ってきた。

長州ながと水産は、フグ類の市場取扱量日本一の山口県において、養殖だけでなく、有毒部位を除去する「身欠き加工」まで行うことで高付加価値のフグを販売している。

DSC05051日本酒の消費量低迷が続く中、山口県の日本酒出荷量は全国で唯一9年連続増を記録している。旭酒造は、酒造りの常識を打ち破る改革を次々に実行することで、倒産目前の苦境を脱し、海外で年間10億円を稼ぐ日本を代表する酒造メーカーへと変身を遂げた。社員が年間を通してデータに基づく酒造りを行い、希少価値の高い高品質の酒を安定的に生産している。旭酒造もニシエフも若手人材の不足が深刻な製造業界にありながら、社員の平均年齢は20-30代で、若い世代が活躍している企業だ。

県の東の玄関口である岩国錦帯橋空港から車を20分も走らせると、伝統的工法で造られた木造アーチ橋で日本三名橋の一つ、錦帯橋(きんたいきょう)が再建を経てもなお300年以上前とほぼ変わらぬ姿で川の両岸をつないでいる。新たな観光スポットとしては、赤い鳥居が崖に120基以上並び、海や山とのコントラストが美しい元乃隅稲成(もとのすみいなり)神社が半年で30万人以上の観光客を集めている。

本ツアーは、山口県を東から西へ移動しながら、高い技術力や大胆な経営手法で逆境を乗り越え、グローバルに活躍する県内のユニークなものづくり企業や山口県を代表するような観光資源を取材する。また、山口県知事にインタビューする。

※本プレスツアーはフォーリン・プレスセンター主催です。

※本プレスツアーでは、参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

<取材内容>

知事

1. 山口県知事インタビュー

村岡嗣政(つぐまさ)知事(43)は2014年に同県知事に就任した。昨年発足した、主に地方の人口減少を食い止め、若者と女性の活躍や子育て支援などに取り組む「日本創生のための将来世代応援知事同盟」のメンバーとして全国の若手知事の有志12名と共に地方の活性化に取り組んでいる。「活力みなぎる山口県」の実現を目指し、韓国、台湾、マレーシアなど海外へトップセールスに出向き、県内産品や観光スポットの売り込みを積極的に行っている。

村岡知事より、「活力みなぎる山口県」の実現に向けた取り組みや今後の展望を聞く。

2. 逆境を乗り越え、世界進出するものづくり企業

(1) 旭酒造株式会社(岩国市)

~グローバル銘柄「獺祭(だっさい)」~酒造りの常識を打ち破り復活を遂げた日本酒メーカー~

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日本酒の国内消費量は1975年の167.5万㎘をピークに減少を続け、2014年にはピーク時の約3分の1の55.7万㎘にまで落ち込んでいる。一方で、輸出量はこの10年で倍増し、2015年は1.8万㎘で、日本酒の全出荷量の3.2%を占めている。

今やグローバルブランドとなった「獺祭(だっさい)」で知られる旭酒造も2015年の出荷量約234万ℓの1割を米国、フランス、中国、香港、シンガポールなど約20か国に輸出、全売上高65億円のうち、10億円を輸出が占める。約30年前は売上高1億円だった同社を現在の規模に成長させたのは、伝統的な酒造りと一線を画す様々な新しい試みだった。杜氏(とうじ)と呼ばれる酒造り職人を冬から春先にかけて雇入れ、その勘に任せるという従来の酒造りは廃止、社員によるデータや数値に基づく酒造りに思い切って切り替えた。近代的な工場内の室温を管理することで年間を通した生産が可能になった。醸造中の酒を毎日細かく成分分析して数値化する「見える化」の実現による醸造工程の徹底的なデータ管理は、一定の品質を保った酒の安定生産を可能にした。また、同社は流通量が多い一般的な酒の生産を止め、雑味のもととなる表面を50%以上削り取った米で作られる純米大吟醸(だいぎんじょう)と呼ばれる酒のみを造るという商品の選択と集中を実行した。純米大吟醸は、日本酒の生産量のわずか3%の希少価値の高い酒だ。

年明けには、世界的なフランス料理のシェフ、ジョエル・ロブション氏と共同でパリに出店予定であり、今年9月末に就任した4代目桜井一宏社長(39)は、「将来は海外比率を5割まで伸ばしたい」と抱負を語る。

昨年完成した地上12階立ての新工場を訪れ、旭酒造のシステマチックな酒造りを取材する。桜井一宏社長から、日本酒造りの常識を覆した改革や今後の展望などを聞く。

Asahi Shuzo

(2) 株式会社 山下工業所(下松(くだまつ)市)

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~「新幹線の顔」をハンマー1本の職人技で作り続けて50年~

山下工業所は、金属板をハンマーで叩いて曲面を作り出す「打ち出し板金」の技術で、1964年の新幹線開業以来50年以上に亘り400両以上の曲線が美しい新幹線の先頭部分の「顔」を生産してきた。昨年開業した北陸新幹線E7系を始めとする国内の車両の他にも、海外では台湾を走る新幹線の他、シンガポールやドバイのモノレールなどの顔も同社が手掛けた。打ち出し板金の職人として一人前になるには10年はかかるとされるが、2代目山下竜登(たつと)社長の入社当初(2007)は10-20代の職人が一人もおらず、技術の継承と後継者育成が危惧された。そこで、山下社長は、同社の卓越した技術を多くの人にわかりやすく伝えるため、アルミやマグネシウム合金の板を打って組み合わせたチェロやバイオリンなど世界初の楽器を制作したところ、人々の注目を集めるようになり、入社希望者が少しずつ増えた。同社社員40名のうち、現在13名が10-30代の職人で、日々技術を磨いている。

熟練の職人による打ち出し板金のデモンストレーションやアルミを打ち出して作った楽器の撮影を行う。若手社員にインタビューをする。

※取材当日は製造中の新幹線の車体は工場にないため、新幹線の顔を打ち出し板金で作る様子はビデオや写真で紹介します。

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(3) 長州ながと水産株式会社(長門市)

~高品質、高付加価値のトラフグの6次産業化に挑む。陸上養殖から加工・販売まで~

DSC05052長州ながと水産は、冬の味覚フグの取扱量日本一の山口県において、自社で陸上養殖したトラフグを、有毒部位である皮、卵巣や肝臓などを除去する「身欠き加工」を施して販売するという6次産業化ビジネスの先駆者だ。同社は中国産の安価なフグの流通による魚価の低下に対抗するため、フグの養殖、買い付け、販売などを別々に行っていた5社の事業を集約させ、2015年11月に設立された。3万5千匹のフグの稚魚が育つのは、地元漁協が使用しなくなった養殖施設内の水槽50台。日本海から引いてきたきれいで冷たい海水を使用しているため、肉質がよく、身が締まったフグに育つ。水揚げ後、同じ敷地内ですぐに身欠き加工ができるため、鮮度を保ったまま出荷できる。

2015年の売上高は6,000万円。生産量を増やし、4年後には1億円に到達させたいとしている。

トラフグの陸上養殖場や1匹あたり2分もかからないすばやい身欠き加工の様子を撮影する。安藤繁之社長から今後の展望を聞く。

フグ身欠き 

(4) 株式会社ニシエフ(下関市)

~高さ25.3メートルから海面への落下にも耐える。ガラス繊維強化プラスチック製救命艇~

DSC05078県最北西部、油谷(ゆや)湾付近にあるニシエフは、主にガラス繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)を材料とした”国産のFRP船”を45年前の設立当初から建造し続けている造船会社だ。FRPは、プラスチックにガラス繊維を配合した素材で、軽くて強く、腐食しない特性があり、スポーツカーのパーツや公園の遊具などに使用されている。FRP船も長寿命であることから、1990年頃に市場が飽和状態となったが、同社は業績が悪化しても自社で設計して木型を組み、顧客のニーズに合うオーダーメードの船を造る技術力を武器に、FRPにこだわって船を造り続けた。事業の幅を拡げるため、救命艇の分野に進出、山口大学などと研究を重ね、厳しい使用環境にも耐えうる救命艇を開発した。安全性のチェックのため、社長自ら救命艇に乗り、世界最高レベルの高さ25.3メートルからの降下実験も行った。年間約100艇の救命艇を建造しているが、今年1月には旧工場の2.7倍の約2,730㎡に拡張した新工場が完成し、大型船の建造も可能になった。今後は鉄鋼製が多い100トン以上の大型船のFRP化による新たな市場の創出を狙っている。2021年までに現在79名の従業員を100名に、売上高18億円を30億円超に拡大することを目標にしている。

ニシエフの新工場を訪れ、大型FRP船の建造や救命艇の内外を撮影する。堀井淳社長からは今後の展望を聞く。

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3. 山口県を代表する観光資源

(1) 錦帯橋

岩国市を流れる錦川(にしきがわ)にかかる錦帯橋(きんたいきょう)は、3つのアーチを含む5連橋。木組みなどを多用した伝統的工法で造られた木造アーチ橋で、一つのアーチが世界最長の35.1メートルを誇る。現在の橋は約300年前にひかれた図面を地元大工が解読し、「昭和の再建」から約50年ぶりに、2001年から3年かけて架け替えられたものだ。専門家が「現代力学の法則に合致しており、何ら改善の余地はない」と評する精巧な工法を次の世代に伝えていくため、次回の架け替えは2021年に予定されている。

前回の架け替えにおいて、中心的役割を果たした大工の中村雅一(まさかず)氏(59)から、錦帯橋の歴史や構造などの説明を受け、伝統を守りながら橋を架け替え続けることへの抱負を聞く。

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(2) 元乃隅稲成神社

元乃隅稲成(もとのすみいなり)神社は、県北西部長門市の日本海に面した崖に沿って並ぶ123基の赤い鳥居が特徴。岡村頼樹(よりき)斎主のアイディアで、賽銭箱が最も大きな鳥居の上部、地上5メートル地点に設置されており、賽銭を箱に投げ入れようと何度も挑戦する参拝者の姿が見られる。昨年に米国CNNの「日本の最も美しい場所31選」に選定されたのを受け、2014年は2万人だった観光客が昨年は7万人に急増、今年は1-8月だけで既に30万人が来訪した。

元乃隅稲成神社を視察、撮影する。

Motonosumi Inari

<実施要領>

1. 日程:

1日目

6:55-8:35

羽田空港-岩国錦帯橋空港 ※

9:20-10:10

錦帯橋

10:55-12:25

旭酒造

14:10-15:25

山下工業所

16:50-17:35

山口県知事インタビュー

18:00

ホテル着、夕食

山口市内 泊

2日目

9:00-10:20

移動

10:20-11:50

長州ながと水産

13:40-14:20

元乃隅稲成神社

15:00-16:30

ニシエフ

19:15-20:40

山口宇部空港-羽田空港

上記は変更が生じる可能性があります。

2. 参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者

3. 参加費用: 1人13,000円(全行程交通費、宿泊費、食事代を含む)

*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。

※希望者は空港ホテルでの前泊が可能です。宿泊費(朝食含まない)は参加費用に含まれます。

4. 募集人数: 10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。

*申し込み人数が10名を超えた場合は、国・地域別の参加者数に上限を設定することがあります。

5. FPCJ担当: 横田(TEL: 03-3501-3405)

6. 備考:

(1) 写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。  

(2) FPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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