[My2020]和紙の賞状 最⾼の物を 鈴⽊⽵久さん70東京五輪・パラリンピックの賞状を美濃手すき和紙で作っている鈴木竹久さん

日本の技術力

[My2020]和紙の賞状 最⾼の物を 鈴⽊⽵久さん70

読売新聞社

東京五輪・パラリンピックの賞状を美濃手すき和紙で作っている鈴木竹久さん(写真:読売新聞社)

◇2020 COUNTDOWN
◎東京五輪 あと314⽇ 東京パラリンピック あと346⽇

■美濃⼿すき和紙協同組合理事⻑
 東京五輪・パラリンピックで8位以上の⼊賞者に授与される賞状を美濃⼿すき和紙で作っています。岐⾩県美濃市に伝わってきた技術が認められたのは名誉なことで、責任も感じています。

 美濃和紙は1300年の歴史があると⾔われ、その中でも最⾼品質のものを本美濃紙と呼んでいます。今回の賞状には、本美濃紙と同じ原料を使います。茨城県⼤⼦(だいご)町で⽣産される⼤⼦那須楮(こうぞ)で、最⾼の原料から最⾼のものを作りたいと考えています。
 原料を川の⽔にさらし、アルカリ性溶液で煮てから、ちりを取り除きます。⽊づちなどで打って繊維をばらし、⽔を張ったすき⾈の中で、簀桁(すけた)を揺らしながら、すいていきます。美濃の特徴として、縦揺りに加えて、ゆったりとした横揺りがあります。これによって、薄くても丈夫な紙ができます。漂⽩剤など薬品類を⼀切使わないので、⾃然のままの⾊です。外国の選⼿にも、和紙の良さを理解していただければありがたいですね。
 賞状は2枚合わせにして、まだ図柄は公表できませんが、透かしを⼊れます。⼤きさはA3判で、1万7600枚を⽤意します。組合員17⼈とその家族らが交代で作業に当たっています。本格的に始めたのは7⽉からで、来年3⽉までかかりそうです。タイトなスケジュールですが、美濃の底⼒を⾒せようと思っています。
 ⽣活様式の変化や機械すき和紙の登場で、⼿すき和紙の⼯房は減っています。⼀⽅、県外から技術を習得したいとやって来る若者もいます。和紙を取り巻く環境は過渡期にありますが、今回の仕事は転機になるかもしれません。世界が広がり、もっと違う⽅向に展開していく可能性がある。いい⽅向につながってくれればいいと期待しています。


 ◇すずき・たけひさ 1949年、岐⾩県⽣まれ。⾼校卒業後、家業の紙すき⼯房は継がず、サラリーマンになる。60歳で定年退職後、先に家業を⼿伝いながら技術を習得していた妻の豊美さんから教えを受け、紙すき職⼈に転⾝した。2016年から現職。
  写真=鈴⽊⽵久さん

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この記事は、東京読売新聞に掲載された記事(2019年9月14日)を著作権者の許諾を得て転載したものです。

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