東北のサポーターたち︓2020五輪・パラ 武道具製造⼯場 秋⽥・⼤仙 着⼼地よい柔道着を

日本の技術力

東北のサポーターたち︓2020五輪・パラ 武道具製造⼯場 秋⽥・⼤仙 着⼼地よい柔道着を

What's Up Japan

◇公認品唯⼀の綿100%



ミシンで膝当ての部分を縫い合わせる従業員の様⼦を眺める⻄村圭司⼯場⻑(右)=秋⽥県⼤仙市で


 ダダダッ︕と1本針のミシンが⼩気味良くリズムを刻む⾳が響く。縫製職⼈の⼿で厚みのある真っ⽩な2枚の布が縫い合わせられ、ズボンの前部分に当たる⽚⾜の膝当てが出来上がっていく。これをもう⼀つ作り、後ろ部分と股下⽤の布と縫い合わせると柔道着の下⾐が完成する。

 縫製作業の全⼯程が⼿作業だ。「⾒た⽬の美しさにもこだわっています」。東洋マーシャルアーツ・ディストリビ ューション(本社・名古屋市)の秋⽥⼯場⻑、⻄村圭司さん(32)は胸を張る。

 同社は柔道着の国内シェア3位。2015年から五輪など国際⼤会に製品を納⼊できる国際柔道連盟(IJF)の公認サプライヤーに認定されている。

 秋⽥⼯場が稼働を開始したのは昨年11⽉。秋⽥県⼤仙市の国道沿いにあったコンビニエンスストアの空き店舗に13台の業務⽤ミシンなどを据え付けた。

 20年は最⼤1万2000着の柔道着などが製造される予定で、その⼀部が東京五輪に出場する選⼿向けだ。

 選⼿らが五輪などの国際試合で着⽤する柔道着は1平⽅メートル当たりの重量などが厳密に定められている。IJFの公認サプライヤーは世界に10社以上あり、⼤⼿スポーツメーカーなどは軽さと強度を出しやすい綿とポリエステルの合成繊維の布地を採⽤するが、同社は着⼼地を重視し、国産綿100%の布地に唯⼀こだわっている。

同社の柔道着を愛⽤する選⼿も多く、東京五輪では、リオデジャネイロ五輪・⼥⼦柔道57キロ級で5位だった台湾の有⼒選⼿、連珍羚(れんちんれい)選⼿(31)=コマツ=が着⽤する予定。連選⼿は昨年8〜9⽉に⾏われた世界柔道選⼿権東京⼤会などでも同社の柔道着に袖を通した。ほかにも、コロンビアの代表選⼿らに提供される⾒通しという。

 従業員約30⼈、18年度の売上⾼は約3億3000万円と会社の規模は決して⼤きくない。それだけに東京五輪は⾃社の商品を世界に向けて強くアピールできる貴重な場となる。

 ⽇本発祥で東京五輪でもメダルの量産が期待される柔道は花形競技の⼀つだ。「五輪に裏⽅として関われるとは夢にも思わなかった」と、⼩学校から柔道を始め、今では三段の腕前を持つ⻄村・秋⽥⼯場⻑は⾔う。

 「⾃分より⼤柄でも技が決まれば対戦相⼿が宙を舞うのが柔道。各選⼿のスタイルや要望にあわせた⼀点ものの柔道着をこの⼯場から送り出し、秋⽥に世界⽔準の縫製技術があることをアピールしたい」と話した。【中村聡也】

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この記事は、東京オリンピック・パラリンピック延期決定前に毎日新聞に掲載された記事(2020年1月15日)を著作権者の許諾を得て転載したものです。

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